保険のインレー(銀色の詰め物)、下が虫歯でやりなおし・2019/06/21

こんばんは。クレア歯科クリニック、院長の平岡です。
最近、日々の症例をさぼってしまっておりました。

久々にアップしたいと思います。

本日は、保険の銀歯の下が虫歯になって、やりなおしのケースです。
一般的な保険の金属の詰め物の治療の流れの説明も
いっしょにしていきます。

まずは治療前のレントゲン写真(デンタル)と、詰め物の様子です。

いちばん右側の歯は、左上の一番奥の歯です。
レントゲンの右がのどの方向(後ろ側)左がお口の入り口の方向です。

大きな金属(真っ白な部分)が入っています。レントゲンでは、少し黒い隙間があるようにも見えます。

お口の中では、やはり段差と隙間が見えますね。
もともとあまりぴったりしていないうえに、
多分最初はあった接着剤が溶け出してしまって隙間になったのだと思います。

保険治療では、一般的な治療レベルかと思います。

銀歯を外してみました。

ぴったりあっていなかった部分は、下でむし歯にもなっていました。
奥の方、歯茎のへりの方は、だいぶ着色していますが、
セメントが溶けて、細菌等が入ってきている状態だと思われます。

古いセメントやむし歯をとった状態です。
まだ少し虫歯が残っていて、もう少しきれいにしていきます。
結構詰め物の奥まで虫歯がありました。

保険の治療を外してみると、中が虫歯のことが多いです。
特に、ぴったり合っていない治療の場合は、こういう場合が多い印象です。
ぴったり合っていないせいで隙間からむし歯になるというよりは、
ぴったり作ろうと思わないような先生は、
むし歯も丁寧にとりきっていないというのが本当のところのように思います。

もしへりの部分からむし歯になっていたら、あらたな虫歯なのだと思いますが…

むし歯をとったあと、レジンという材料で穴を覆いました。
当クリニックでは、虫歯治療の穴を埋め立てて金属を入れる土台を作るのに、
一般的なグラスアイオノマーなどではなく、
前歯の虫歯の詰め物にも使われるようなレジンを使っています。
(その理由等はまた後日)

ここから金属を入れるために、形を削って型取りをしていきます。

一番奥の歯の奥側を削るのは、結構難易度の高い治療です。
この場合は鏡を見ながら削ります。
動かす方向が逆になるのと、水のせいでミラーが見えにくくなるのと、
一番奥で削る機械が入りにくく、向きが制限されるのとで、
今でも毎回きれいに削れるか心配になるような治療です。

まあ、今回もなんとかきれいに削れました(汗)

このあとかりづめをして、次回完成したのが下の詰め物です。

2枚目はちょっとピンボケですが、保険レベルではかなりしっかりぴったりできているのではないでしょうか?

あとは患者さんがしっかりとお手入れして、
長持ちさせてくれたらうれしいなと思います。

 

東京都 杉並区 阿佐谷北 クレア歯科クリニック

院長 平岡 達

口腔内のがんの発見に関して

クレア歯科クリニック 院長の平岡です。

先程、有名なアイドルの方が舌がんで手術を受けるという報道があってから、
当クリニックでも舌がんなどの口の中のがんに関するお問い合わせが
以前より増えております。(というか、普段はほとんどありません…)

お口の中にもがんは発生するのですが、
舌や歯肉、口腔粘膜など、目に見える部分に発生するものは、
まずは目視にて病変を発見し、それを大学病院の口腔外科等の専門機関にて、
細胞診などで確定診断するというのが、一般的な発見プロセスになります。

目視で発見というのは、患者さんが鏡でみて気づいて来院される場合もありますし、
かかりつけの歯科医師が発見する場合もあります。

また、腫瘍ですので、膨らんできてご自身で気づくという場合もあります。
しかしながら、腫瘍の初期は無症状の場合が多いので、
ご自分で気づいても、ちょっと様子を見ようということになって、
なかなかがんと思って来院するというのは難しいかもしれません。

ですので、検診などのときにやはり目で見て発見するというのが、
非常に大切になことだと私は思っております。

当クリニックにおかかりになって、
検診を受けられたことのある方はわかるかもしれませんが、
当クリニックでは、歯周病やむし歯だけでなく、
口の中全体、口腔粘膜や舌、頬粘膜などもしっかり目で見て確認しており、
また、かみ合わせや顎の関節も簡単ではありますが、同時に検査をしています。

むし歯の検査の後に、「ではほかの部分も拝見しますね」といって、
ほっぺたを引っ張られて中を見回されたり、
舌の裏側を鏡で引っ張ってのぞかれたり、
舌をベーっと出して動かしてみてと言われたりしたと思いますが、
あのときに、そういったところに何か異常がないか
(もちろん、がんの初期病変がないか等も含む)目で見て検査を行っています。

当クリニックの医師はがんの専門医ではありませんが、
一般的ながんの教育は大学で受けておりますので、
あやしいと思うものがあれば、大げさかもしれませんが、
安易に「様子を見ましょう」ということはせず、
専門医療機関に紹介し、専門医に診断してもらうようにしています。

ちなみに、今までの歯科医師としての臨床経験上、
口腔内の異変を発見した方で、
石塚は3人、平岡も2人、口腔領域の腫瘍を発見し、
手術に至った方がいらっしゃいます。

普段ほとんどお目にかかることのない口腔内のがんですが、
当クリニックでは、皆さんの歯だけでなく、お口全体、
さらには全身の健康も考えて、そういったまれなことに対しても、
万が一あれば一大事と考えて、しっかりと拝見させていただいています。

保険のⅡ級コンポジットレジン充填 3年後

こんにちは。
クレア歯科クリニック 院長の平岡です。

最近症例の投稿をサボっていまして・・・すみません。

久々に症例を投稿させていただきます。今回は、検診にいらした患者さんに以前充填したコンポジットレジンの写真を撮らせていただいたので、その話題です。

良く、コンポジットレジン充填は耐久性が…なんていう話を耳にします。皆さんの中でも、「レジンは耐久性がないから型取りをしてインレーにしましょう」と言われたことのある方も多いはず。

確かに保険の金属に比べてレジン自体の耐久性は劣るかも知れませんが、金属をセットするときに一般に使われている保険の接着剤に比べると、はるかにレジンの方が耐久性があります。なので、総合的に見て、どちらが長持ちするかは、一概には言えないなというのが私の思う正直なところです。

実際私の口の中にも、私が大学生のとき(およそ20年前)に、同級生に作ってもらった金属のインレーと、先輩にやってもらったコンポジットレジン充填がありますが、両方ともいまだに問題なく使えています。

どちらの治療も、基本に忠実に、丁寧に、精密にしっかりと治療して、お手入れをしっかりしていれば、かなり長持ちするんだなというのが実感です。

そんなわけで、今日の写真は、当クリニックで治療してから3年経った保険のコンポジットレジン充填です。もちろんいつもどおり高倍率のルーペを使って充填を行っています。

こちらは充填時(2015年7月)

こちらは3年後(2018年9月)

表面につやが無くなって、やはり磨り減っているのだとわかりますが、大きくへこんだり、欠けたりというようなことは有りません。また、レジンと歯の境目の接着剤の部分に褐線(接着剤の部分が茶色い線になって見えること)などもほとんど有りません。なので、漏洩などもほとんど起こっていないと思われます。最近のレジンは昔のものに比べて変色も少ないですね。機能的にはまだまだ十分使えそうな感じです。

きちんと施術された保険のコンポジットレジン充填の耐久性、3年たったらこんな感じなのだと、参考になさってください。

 

東京都 杉並区 阿佐ヶ谷北 クレア歯科クリニック

院長 平岡 達

保険外(自費)診療 eMAXインレー その2

クレア歯科クリニック、院長の平岡です。

過去2つの投稿からの続きです。
同じ方の別の部位の症例を乗せています。
説明は以下のリンクをご覧ください。

他院で行われた一般的なレベルのハイブリッドインレー
保険外(自費)診療 eMAXインレー イーマックス

右上5番、形成

eMAX治療後

 

右上6番、形成

eMAX治療後

 

おまけ、右下4番、コンポジットレジンとのコンビネーション
形成


コンポジットレジンおよびeMAX治療後

 

どの治療もほぼ同じレベルで治療できていることが
おわかりいただけたでしょうか?

当クリニックでは、チャンピオンケースと呼ばれる
特に丁寧にやったりうまく行った治療ケースではなく、
日々の診療のレベルを公開することにしております。

その理由はこちら
特別ではない日々の症例をアップする意味

そんな事言って、これ特別きれいにできたから出しているんでしょうという
疑い深いあなた(笑)!
もしそう思っていたら、説明用のペンカメラなんかでなく、
一眼レフで撮りますよ!
(上のリンク先のeMAXは一眼レフで撮っているので綺麗な写真です)

 

東京都 杉並区 阿佐ヶ谷北 クレア歯科クリニック

院長 平岡 達

保険外(自費)診療 eMAXインレー (イーマックス)

クレア歯科クリニック、院長の平岡です。

前回の投稿の続きとなります。
(前回は 他院で行われた一般的なレベルのハイブリッドインレー

 

保険外のセラミック材料として、eMAXという材料があります。
透明度もあり、強度もあり、
昔のセラミックに比べて格段に進歩したなと実感します。

接着強度や精度はまだ金合金に劣るかも知れませんが、
この部分は進歩した接着剤でかなり補うことができます。

何より金属に比べて美しいこと、歯垢(プラーク)がつきにくいというメリットは
何者にも換えがたい部分です。

 

当クリニックでは、長持ちやトラブルを避けたいということが第一希望の患者さんには、
依然として金合金修復をおすすめしていますが、
このeMAXという材料に関しても、自信をもっておススメしております。

患者さんにとってはおススメがふたつあると、
悩みが多くなるかもしれませんね。

 

下が術前の状態。

 

インレーを真ん中で割ると簡単にとれてしまいました。
もうほとんど接着をしていなかった感じです。

接着剤が劣化したりして辺縁の部分はむし歯になっていました。

 

それをきれいに削りなおして型を取ります。
幸いむし歯はまだほとんど進んでいませんでした。
このまま治療しなかったら、大きくなったかもしれません。

 

仮詰めをしました。

 

出来上がって接着したところです。

カメラの性能的な部分も有りますが、
パッと見には、境目がどこかわかりにくいかと思います。
(歯医者さんにはわかると思いますが、
お友達などにバレることはないでしょう)

同じ方で何箇所も同じeMAXという材料で治療していますので、
次回はそれらをまとめてアップします。

 

 

東京都 杉並区 阿佐ヶ谷北 クレア歯科クリニック

院長 平岡 達

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