保険外(自費)診療 eMAXインレー (イーマックス)
18.06.13
クレア歯科クリニック、院長の平岡です。
前回の投稿の続きとなります。
(前回は 他院で行われた一般的なレベルのハイブリッドインレー)
保険外のセラミック材料として、eMAXという材料があります。
透明度もあり、強度もあり、
昔のセラミックに比べて格段に進歩したなと実感します。
接着強度や精度はまだ金合金に劣るかも知れませんが、
この部分は進歩した接着剤でかなり補うことができます。
何より金属に比べて美しいこと、歯垢(プラーク)がつきにくいというメリットは
何者にも換えがたい部分です。
当クリニックでは、長持ちやトラブルを避けたいということが第一希望の患者さんには、
依然として金合金修復をおすすめしていますが、
このeMAXという材料に関しても、自信をもっておススメしております。
患者さんにとってはおススメがふたつあると、
悩みが多くなるかもしれませんね。
下が術前の状態。
インレーを真ん中で割ると簡単にとれてしまいました。
もうほとんど接着をしていなかった感じです。
接着剤が劣化したりして辺縁の部分はむし歯になっていました。
それをきれいに削りなおして型を取ります。
幸いむし歯はまだほとんど進んでいませんでした。
このまま治療しなかったら、大きくなったかもしれません。
仮詰めをしました。
出来上がって接着したところです。
カメラの性能的な部分も有りますが、
パッと見には、境目がどこかわかりにくいかと思います。
(歯医者さんにはわかると思いますが、
お友達などにバレることはないでしょう)
同じ方で何箇所も同じeMAXという材料で治療していますので、
次回はそれらをまとめてアップします。
東京都 杉並区 阿佐ヶ谷北 クレア歯科クリニック
院長 平岡 達
他院で行われた一般的なレベルのハイブリッドインレー
18.06.11
クレア歯科クリニック 院長の平岡です。
みなさんは一般的に、保険外診療(自費診療)をしたら、
精密で長持ちするいい治療がうけられていると思っていると思います。
しかしながら実際はというと、
残念ながら自費診療でも丁寧に精密に治療していかないと、
逆に保険の治療よりも劣る治療になってしまいます。
たとえばこの写真は、ごくごく一般的なレベルのセラミックインレーですが、
あまりぴったり合っていないうえに、
まわりが茶色い線で縁取りしたようになっていますね?
下の写真は当クリニックで治療した保険の金属ですが、
保険のものと比べても、かなり精度が違うのがお分かりいただけるかと思います。
ちょっと話がそれましたが、これは、一般的には金属よりもセラミックの方が
そもそもぴったり精密にあわせにくい材料ということがまずあるのですが、
それをセットするときにきちんと調整しきれていなかったり
茶色い線は経年劣化したセメントの部分に着色が起こったりしていて、
まあ一般的にはこのような治療になっていることが多いです。
また、セラミックは薄いと強度が足りなくなるので、
きちんと治療できていないと下の写真のように、
折れたり欠けたりするというトラブルも多くなります。
同じ患者さんでしたが、3本も欠けていました。
これだけ薄ければ折れるのもしょうがないかなという…
保険の金属ならこの薄さでも折れたりしなかったかと思うので、
わざわざ保険外で治療したために起こったトラブルとも言えるかもしれません。
保険外診療は、保険に比べてお支払いは高額になりますので、
せっかくならきちんと精密に治療されることをおススメします。
精密な治療の方が、
長持ちする確立は当然高くなりますので。
次の投稿では、当クリニックのセラミック治療を
アップする予定です。
東京都 杉並区 阿佐ヶ谷北 クレア歯科クリニック
院長 平岡 達
保険のⅠ級コンポジットレジン充填
18.03.15
今日の症例は、保険のコンポジットレジン充填(CR)です。
当クリニックでは、ミニマルインターベンション(MI)な治療を第一選択にしていますので、
このような新しくできた虫歯に対しては、レジン充填を第一選択にしています。
レジン充填はむし歯以外の不必要な部分の削除をなるべく減らせるというメリットのほかに、
パラジウムインレー(型取りをして入れる保険の銀の詰め物)に比べて
接着性が良いという点や、1回で治療が終わる点
そしてなによりも白いというメリットがあります。
やはり綺麗な白い歯になるというのは、歯医者としても気持ちがいいものです。
ただ、コンポジットレジンは耐摩耗性や強度などがパラジウムインレーよりも劣るので、
どのようなケースでも可能というわけではありません。
今回は奥歯の溝の部分にできたむし歯を治療しました。
むし歯をむし歯の検知液を用いながら丁寧に取り除いた状態です。
防湿は簡易防湿です。
さすがに保険治療でラバーダムは行いません。
エナメル質のみ燐酸でエッチングし、ボンディングしたあと、
保険のコンポジットレジンを充填したのが下の写真です。
レジンは固まるときに収縮するので、
その量や方向を見極めながら、何回かにわけて充填と光硬化を繰り返していきます。
ここをていねいに行わないと、歯とレジンのあいだに隙間ができて、
境目に茶色い線が入ったように変色して将来見栄えが悪くなるうえに、
そこからむし歯になる心配があります。
保険のレジン充填ではみなさん急いでいるのか、良くそういったものを見かけますが、
ひと手間かけると保険のものでもそういったことを防ぐことができます。
丁寧に治療したレジン充填は、みなさんが思っているよりもずっと長持ちします。
下の写真は、詰めてから1年後の写真です。
最初の状態よりも磨耗した部分もありますが、
変色や境目の変色、破折等もなく、必要十分な状態が保たれていると思います。
下の写真は、さらに2年たった、3年後の写真です。
また少し磨耗し、ほんのちょっとだけ茶色い線が見えているところがありますが、
経過としては問題ないと思います。
よくレジンは耐久性が…という先生がいらっしゃいます。確かにそうなんですが、
メリット、デメリット双方考えると、私はレジンでできるものはレジンで行っています。
理由としては、私が大学生の頃に6年生の先輩の臨床実習で、
これと同じようなレジン充填をしてもらったのですが、
少し磨耗はしていますが、25年たったいまなお、
まったく問題なく使えているという経験があるからです。
臨床実習でていねいにしっかりと治療してもらったおかげで、
レジンでも長持ちしているのだと思いますので、
私もそれを目指して治療を行っています。
東京都 杉並区 阿佐ヶ谷北 クレア歯科クリニック
院長 平岡 達
コンポジットレジン修復(1)
17.10.02
クレア歯科クリニック 院長の平岡です。
「日々の症例を紹介していきます」のページの写真の説明です。
左上<治療前>
2本の歯と歯のあいだに虫歯があります。わずかに黒く透けているのが見えますか?
中でけっこう大きくなっていると思われますが、
ご自身で気づくことはほとんど無いでしょう。
ちなみに症状はありませんでした。
虫歯診査の原則をきちんと守って
注意深く顕微鏡や高倍率ルーペを使って調べると、
このような症状のない虫歯でも
かなりの確率で発見することができます。
ちなみにこの方は、1年以内に検診を受けておられます。
裸眼で、しかも原則をきちんと守っていなければ、見逃されてしまいがちです。
なるべく削らないで治療を受けたいという場合は、
まずはできるだけ早期にこのような虫歯を発見することが大切です。
右上<治療中>
ちょっと穴をあけると虫歯が見えてきました。
虫歯は中で大きくなっています。
左下<虫歯除去後>
注意深く、健康な部分は削らないように、
また、虫歯を取り残さないように
虫歯検知液を使いながら虫歯を取り除きました。
少し茶色っぽいところもありますが、
虫歯検知液で染まらない部分は、
取り除く必要はありません。
右下<治療後>
保険適用のコンポジットレジンを使い充填しました。
歯と歯のあいだの形もきれいに修復できました。
フロスもきちんとひっかかりなく通るようになっています。
もちろんコンタクト圧もきちんと与えられています。
このように最小限の治療で済ませるには、
やはり早期発見できることが大切です。
治療だけでなく、虫歯の検査の時にもルーペを使う理由が、
おわかりいただけたでしょうか?
東京都 杉並区 阿佐ヶ谷北 クレア歯科クリニック
院長 平岡 達
写真を使って説明する理由
17.10.01
クレア歯科クリニック 院長の平岡です。
当クリニックでは、どの患者さんのどの歯の治療においても、
原則、治療前に治療予定の歯の写真を撮り、
どういう状態の歯にどういう治療を行う予定かを説明し、
それに同意をいただいてから治療を開始し、
治療中、治療後にも写真をお撮りして、
それらを使って最後に治療の内容を説明するというスタイルで診療を行っています。
なぜこのようなシステムをとるのかというと、
私も今までにいろんな歯科治療を受けてきましたが、
特に歯医者になる前は、口の中にどんな問題があって、どの歯にどんな治療を受けて、
結果どのようになったのか、まったく説明されることもなく、
まるで自分の口の中がブラックボックスのような状態だったからです。
仮にそういう説明を受けたとしても、
言葉での説明では専門家ではない患者さんにとっては、
イメージがわきにくいと思いますし、
何よりしっかりきちんと治療されたかどうかが、
まったくわかりません。
ですので、
「患者さんにより安心して治療を受けていただくために」
このようなシステムにしました。
虫歯が無いところを削られたのではないか?
虫歯をきちんと取りきってくれただろうか
つめものがぴったりあってないのではないか?
当クリニックではそのような不安を感じられることはまずありません。
何より、写真に撮ってお見せするのですから、
いい加減な治療だったり下手な治療をすると、すぐにわかってしまいますね!
つまり、治療を写真に撮ってお見せできるということは、
治療を手抜きなくきちんとやっているということの証しでもあるのです。
東京都 杉並区 阿佐ヶ谷北 クレア歯科クリニック
院長 平岡 達