ちょっとひと手間が大きな差に…ちょっとした歯の矯正

クレア歯科クリニック、院長の平岡です。

当クリニックでは全体的な歯の矯正は専門医に紹介していますが、
治療に必要なちょっとした歯の矯正は当院で行っています。

上の状態、かぶせ物がとれてそのまま放置したせいで、歯が隣の歯に倒れこんでしまい、ななめになったうえに歯と歯の間の間隔が狭まっています。

保険治療だったら、たいていの場合はこのまま土台を作り変えてかぶせなおすだけになってしまうと思います。

それでもいいのですが、歯と歯の間の清掃性も気になりますし、咬む力が斜めにかかるのも気になりますし、型どりもやりにくいなあという状況です。

こういうときにほんのひと手間かけると、だいぶ状況が変わってきます。

矯正に使う小さい輪ゴムのようなものをぎゅっと間に挟みました。
ほんのひと手間です。

2週間から一か月くらい待ちます。

ゴムの力で歯が横に押されて、歯と歯の間が正常な間隔に近くなりました。
この場合、歯は傾斜移動といって斜めに移動してしまうのですが、もとが斜めに倒れこんでいたので、その傾斜が少しなおった形になっています。

矯正といえば矯正かもしれませんが…
こんなのを矯正と言ったら矯正の先生に怒られるでしょう。

最終的に保険のかぶせものが入ったところです。そのままかぶせたよりもより自然に近い位置、形になったのではないかと思います。これでちょっとでも長持ちしてくれたらいいですね。

ちなみに診療費用ですが、特に大掛かりな装置を使っているわけではないので、保険診療で行う治療における再診料に包括される処置料(支台歯の準備)として行っています。

ほんのひと手間プラスちょっと回数と時間が増えましたが、いい状態でかぶせることができるので、手間のわりにメリットが大きいと思える処置です。

東京都 杉並区 阿佐谷北 クレア歯科クリニック

院長 平岡 達

虫歯を見つけるって大変なんです。

クレア歯科クリニック、院長の平岡です。

治療の終わった後に患者さんに良く言われる言葉なんですが、
「ついでにほかにも虫歯がないか見てもらえますか?」

多分患者さんはほんの数秒ぐるっと見渡せば虫歯が見つかると思っているのだと思いますが…

大きな穴があいている虫歯はそりゃ見つかりますけど、歯と歯の間なんかにある虫歯や、つめものの下、歯の内部にあるような虫歯はそう簡単には見つからないんです!ついでってレベルで見たら見落としが多いんです!

なので、よほど時間が余っていれば拝見しますが、そうでなかったらパッと見てみつかる範囲でなら見ますけど、しっかり調べるのであれば次回お時間をとってくださいとお話することが多いです。

目視でむし歯を探す原則というのがあって、

①歯の表面がきれいな状態で
②明るい状態で
③乾燥させて
④(できれば拡大視野で)

見ることが大事と言われています。

①に関してですが、現状新患の方や定期健診にいらしてない方でフロスがしっかりできている方はあまり多くないので、歯と歯の間にかなり歯垢がついている事が多いです。この状態で検査してもたくさん見落としてしまう可能性が高いので、私はしっかりフロスして、歯と歯の間をきれいにしてからむし歯のチェックを行います。なので、ちょっとみてといわれてもフロスを全体するだけでもちょっと時間がかかってしまうのでそう簡単にはいきません。すみません。

②クリニックだと上にライトがありますが、学校健診や職場検診なんかであまり明るいライトが無かったりしたら、なかなか見つからないかもしれないですし誤診も多くなりそうです。ヘッドライトや、ルーペについているライトはさらに明るく陰ができにくいので、クリニックでも検診でもさらに診断しやすくなると思います。

③クリニックだと空気を吹きかけたり唾液を吸ったりして乾かしてみることができますが、学校健診や職場検診だとそこまでできないことも多いので、そうするとかなり虫歯は見つけにくくなります。

④上記の上に、倍率の高い拡大鏡や顕微鏡を使うと、わずかな色の変化が透けて見えたり微妙な部分を見ることができるので、より発見や診断がしやすくなりますね。

このようにしっかり虫歯を検査しようと思うと、意外と大変なんです。

上記をしっかり行って発見した虫歯です。

歯肉から出血しているのは、歯垢がたくさんついていて歯肉炎があったからです。歯垢をきれいにしたらかくれていた虫歯が見つかりました。

金属と歯の境目に、シャープペンシルの芯の先より小さいくらいの穴が開いています。これはフロスしないで歯垢がついていて、さらにチェアについているライトの陰になってたりしてしかも裸眼だったとしたらなかなか見つからないでしょう。レントゲン上では、少しくろっぽいけど虫歯という確証はありませんでした。歯も少し中が透けて黒っぽく見えていますが、銀歯の場合はこういうこともけっこうあるので、色だけでは何とも言えないです。最終的には視診やレントゲンなど、総合的に判断していきます。

金属をとってみたところです。
かなり大きな虫歯です!

この時点で気づいてよかったです。最終的にはもとと同じような大きさの保険の金属の詰めもので修復できました。

このような大きな虫歯ですら、しっかりと見落とさずに発見するのには結構手間暇がかかるし、専門的な知識と経験が必要だということを知っていただけたら幸いです。

東京都 杉並区 阿佐谷北 クレア歯科クリニック

院長 平岡 達

奥歯の歯と歯の間、横からのCR充填

クレア歯科クリニック、院長の平岡です。

今日は機材のメインテナンスで休診日ですがクリニックに来ています。
その時間を利用して、最近さぼっていた日々の症例をひとつ。

奥歯の歯と歯のあいだ(我々は隣接面と呼びます。)の虫歯の処置は、いくつかの方法に分けられます。

まず一つは、大きく削って型取りして詰め物を作る方法(インレー)と、できる限り虫歯の部分だけ削ってコンポジットレジンという白い樹脂を詰める方法(CR)に分けられます。

どちらの治療になるかは、そのドクターの考え方やむし歯も部位、大きさ、かみ合わせなど、いろんな条件によって変わりますが、わたくし個人としては、まずはできればなるべく余分なところを削らないCRという方法でやりたいと思っています。(もちろん必要ならインレーにします。)

CRでやる場合にも、歯の上、咬み合わせる面から削る方法と、横から削る方法とがあります。基本的には虫歯の位置や大きさを考えてどちらにするか決めます。上から削るより横から削った方がけずる量が少なくて済みそうな場合は、横から削りますが、一般的にこちらの方がいろんな意味で技術が必要な治療になります。

例えば最初の写真のような位置に虫歯があると、横から削った方が歯を削る量は少なくなりそうですね。

虫歯を削り終わったらこんな感じです。上側に大きく歯を残せているので、しっかりと噛む力にも耐えてくれそうです。

詰め終わったところです。

今あらためて見ると、上の方、少し膨らんでいて形が今一つ…
次の来院時にちょっと修正しようかな?

フロスもしっかり通り、引っ掛かりもなく、隣の歯との間の圧もしっかりと与えることが出来ているので、保険治療としては及第点でしょうか。

東京都 杉並区 阿佐谷北 クレア歯科クリニック

院長 平岡 達

キャンセルポリシー

当院のキャンセルポリシーを作成いたしました。
保険でもできる限り良質の医療を提供するために、以下ご理解、ご協力よろしくお願いいたします。

 

①予約は、担当医と患者さんの「お約束」です。変更やキャンセルは病気などのやむを得ない場合以外は原則お控えください。

②キャンセルの場合は速やかにネット予約からキャンセルしていただくか、速やかにキャンセルの旨ご連絡ください。

③ご予約が迫っている場合(特に当日キャンセルの場合)は、メール・LINE等でのキャンセルのご連絡はこちらの確認までに時間差が生じますので、ネット予約からキャンセル頂くか、留守電にメッセージを残してください。

④定期健診や保険外診療等で1時間以上のお約束をおとりしている場合は、特にキャンセル変更をお控えください。

⑤定期健診の1時間15分のお約束をキャンセルされた場合は、とりなおしのお約束は45分となります。(基本的に計2回来ていただくことになります。)

⑥キャンセルが一定の割合を超えた場合や複数回連続した場合、ネット予約のご利用停止や、今後のご予約自体をお断わりさせていただく場合があります。

⑦皆様のキャンセル状況により、上記ポリシーは変更となる場合があります。

ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。

クレア歯科クリニック
院長 平岡 達

定期健診のススメ・虫歯は気づいた時には手遅れかも

クレア歯科クリニック、院長の平岡です。

だいぶ更新の間があいてしましましたが、今日は大雨でキャンセルがありましたので、ちょっとひとつ話題を。
今回は、定期健診で早期発見、早期治療は大事ですよ!というお話です。

以下、一応お約束の説明をしておきます。~~~~~~~~~

当クリニックでは、チャンピオンケース(特別手間暇かけて上手にできたケース)ではなく、日々の治療の内容をアップしています。

使用している画像は、術前、術中、術後、すべて患者さんに説明するために撮影し、治療後の説明時にお見せした、ペンタイプの口腔内カメラで撮影したものです。

説明用に撮影しているだけですので、一眼レフなどよりも画質は劣りますがご了承ください。

画像に黒い点がいくつかありますが、画像センサー面についたほこりです。無修正での掲載ということで、これも除去していません。
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歯医者さんにいらっしゃる患者さんのほとんどが、どこか不具合があるから診てほしいという理由で来院されます。

まだそんなに痛くないうちからいらっしゃる方もいますし、いよいよ何もしなくても痛くてという状態でいらっしゃる方もいます。

それが普通かなとも思うのですが、歯医者としてはちょっと残念です。なぜかと言うと、穴があいたり痛みが出た時点で、虫歯としてはかなり大きくなっているからです。

 

今日ちょうど参考になる症例がありましたので、皆様にお伝えします。

一枚目の写真、もう一度ここで見てみましょう。

なにやらとても小さい穴があいているように見えます。シャープペンシルの芯も入らないような大きさです。しかし、よく見るとその下がグレーに透けて見えています。こういう場合は、この小さい穴の下でむし歯になっている可能性が高いです。

患者さんは、全く症状はないといいます。

麻酔をして削ってみると…

実は中はこんなに大きかったんです! 歯医者としてはあるあるですが、皆さんびっくりしませんか? 歯は表面が硬く中がやわらかい構造なので、表面の穴は小さくても中で大きく広がる性質があります。

最初の一枚目の写真の黒い点、みなさんご自身で気づく自信、ありますか?
今回、幸いにして神経までいっていませんでしたので、いつものようにコンポジットレジンの充填で1回でおわらせることができました。

もう少し遅かったら、食べるときにしみるというような症状が出てきて、その時にはもう神経のところまで進んでいたかもしれません。そうすると何回も治療に通わなければいけないし、それ以上に神経をとるというのは歯にとってとてつもなく大きなダメージです。

神経を取らずに治療できるかできないかは、結果に大きな差が出てしまうのです。

こういう虫歯を早期に発見して早期治療し、できるだけ歯を長持ちさせるためにも、「きちんとした」定期健診を定期的に受けられることをお勧めいたします。(できれば顕微鏡やルーペをつかって、虫歯診査の基本に忠実にみてくれる先生の方が、こういう小さな虫歯の見落としは少ないと思います。)

 

 

 

 

 

 

東京都 杉並区 阿佐谷北 クレア歯科クリニック

院長 平岡 達

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