虫歯を見つけるって大変なんです。

クレア歯科クリニック、院長の平岡です。

治療の終わった後に患者さんに良く言われる言葉なんですが、
「ついでにほかにも虫歯がないか見てもらえますか?」

多分患者さんはほんの数秒ぐるっと見渡せば虫歯が見つかると思っているのだと思いますが…

大きな穴があいている虫歯はそりゃ見つかりますけど、歯と歯の間なんかにある虫歯や、つめものの下、歯の内部にあるような虫歯はそう簡単には見つからないんです!ついでってレベルで見たら見落としが多いんです!

なので、よほど時間が余っていれば拝見しますが、そうでなかったらパッと見てみつかる範囲でなら見ますけど、しっかり調べるのであれば次回お時間をとってくださいとお話することが多いです。

目視でむし歯を探す原則というのがあって、

①歯の表面がきれいな状態で
②明るい状態で
③乾燥させて
④(できれば拡大視野で)

見ることが大事と言われています。

①に関してですが、現状新患の方や定期健診にいらしてない方でフロスがしっかりできている方はあまり多くないので、歯と歯の間にかなり歯垢がついている事が多いです。この状態で検査してもたくさん見落としてしまう可能性が高いので、私はしっかりフロスして、歯と歯の間をきれいにしてからむし歯のチェックを行います。なので、ちょっとみてといわれてもフロスを全体するだけでもちょっと時間がかかってしまうのでそう簡単にはいきません。すみません。

②クリニックだと上にライトがありますが、学校健診や職場検診なんかであまり明るいライトが無かったりしたら、なかなか見つからないかもしれないですし誤診も多くなりそうです。ヘッドライトや、ルーペについているライトはさらに明るく陰ができにくいので、クリニックでも検診でもさらに診断しやすくなると思います。

③クリニックだと空気を吹きかけたり唾液を吸ったりして乾かしてみることができますが、学校健診や職場検診だとそこまでできないことも多いので、そうするとかなり虫歯は見つけにくくなります。

④上記の上に、倍率の高い拡大鏡や顕微鏡を使うと、わずかな色の変化が透けて見えたり微妙な部分を見ることができるので、より発見や診断がしやすくなりますね。

このようにしっかり虫歯を検査しようと思うと、意外と大変なんです。

上記をしっかり行って発見した虫歯です。

歯肉から出血しているのは、歯垢がたくさんついていて歯肉炎があったからです。歯垢をきれいにしたらかくれていた虫歯が見つかりました。

金属と歯の境目に、シャープペンシルの芯の先より小さいくらいの穴が開いています。これはフロスしないで歯垢がついていて、さらにチェアについているライトの陰になってたりしてしかも裸眼だったとしたらなかなか見つからないでしょう。レントゲン上では、少しくろっぽいけど虫歯という確証はありませんでした。歯も少し中が透けて黒っぽく見えていますが、銀歯の場合はこういうこともけっこうあるので、色だけでは何とも言えないです。最終的には視診やレントゲンなど、総合的に判断していきます。

金属をとってみたところです。
かなり大きな虫歯です!

この時点で気づいてよかったです。最終的にはもとと同じような大きさの保険の金属の詰めもので修復できました。

このような大きな虫歯ですら、しっかりと見落とさずに発見するのには結構手間暇がかかるし、専門的な知識と経験が必要だということを知っていただけたら幸いです。

東京都 杉並区 阿佐谷北 クレア歯科クリニック

院長 平岡 達

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